~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

西尾維新さんの「掟上今日子の家計簿」を読んでみた 感想

今回紹介するのは西尾維新さんの「掟上今日子の家計簿」です。シリーズ第7弾。今回は残念ながら隠館厄介さんは未登場。短編集でお馴染みの警部さん視点のお話し。

それでは本編へいってみましょう。

 掟上今日子の家計簿

推理小説でお馴染みの吹雪の山荘、クローズド・サークルで女性が殺された。被害者は一人旅でスキーを楽しむために来ていたようだ。容疑者は、ペンションに泊っていた10人。

今日子さんへの依頼は事件解決はもちろん、最速の探偵の方を期待していた。現在天候が回復してしまい、容疑者である宿泊客が帰りたがっているのだ。拘束できるのはチェックアウトまで、タイムリミットはたったの一時間。

最速の名の今日子さんはたったの一時間で謎を解明できるのか。

 

 

大学生グループが冬休みを利用してサークル合宿をしていた。メンバーの一人が頭部を殴られ昏倒した。凶器はグランドピアノ。グランドピアノで殴りつけた後、下敷きにして押しつぶした異常な殺人だ。

被害者は、自身の携帯電話を握りしめた状態で発見された。電子書籍のアプリが起動されており、叙述トリックで有名な作品の画面が表示されていた。

推理小説に疎い警部さんが叙述トリックとは何か解説してほしいとのことが依頼内容でした。

今日子さんの講義が始まります。

 

頭のいい今日子さんを恐れている警部さんからの依頼。

被害者は密室の中で心臓を貫かれて殺されていた。犯行現場は窓の無い自宅の地下室で容疑者は父親、母親、兄。

なぜ今日子さんにこの事件を依頼したのか?その真相を知った時、言葉にできない気持ちになることでしょう。

 

最速の今日子さんより早く待ち合わせ場所に来ていたせいか、対抗意識を持たれてしまった警部さん。今日子さんより早く待ち合わせ場所来てはいけないと言うタブーの一つを犯してしまったせいだ。

依頼内容はアリバイ崩し。容疑者は犯行が行われていた時刻に遊園地の脱出ゲームをしていたと言っている。そこで最速の今日子さんに最速で脱出ゲームをクリアして犯行が可能だったことを証明してもらいたいと目論見だ。

今日子さんはスラスラ解いていき、このペースなら目標の時間内に脱出ゲームをクリアできるだろうと思えた矢先、ある一定の場所で立ち止まってこの仕組みだとアリバイは成立してしまうと言う。

 

第二第三の手を考えていると警部さんがふと漏らした言葉で今日子さんの目ががらりと変わるのであった。

 

感想/まとめ

推理小説読んでいる割にはクイボノという言葉を初めて知った僕でした。メジャーな言葉なのでしょうか?

文庫落ちという言葉も気になって調べてみましたが、需要があり名誉な意味合いなのですね。「落ち」と聞くとマイナス的なイメージを持ちがちですが、今回は関係ない。文庫本の方が持ちやすく読みやすい。安価なのも有難い。僕は文庫本派ですね。

最近掟上今日子の備忘録が文庫本で発売されているのを見かけましたがこのことを指しているのですね。

 

第二章の叙述トリックの講義から第三章の心理実験への流れが見事で不意打ちをくらった。叙述トリックの中でも珍しい方法なのかな。騙されてテンションあがったのは久しぶりです。

 

警部さん視点の短編集の中では一番面白かったですね。