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西澤保彦さんの「さよならは明日の約束」を読んでみた 感想

今回紹介するのは西澤保彦さんの「さよならは明日の約束」です。僕が一番好きな「七回死んだ男」の作者さん。匠千暁シリーズでもお馴染みですね。さて今回は、読書熱中少女とおバカ映画マニア少年の高校生コンビが活躍。シリーズ第一弾!

 さよならは明日の記憶

▼恋文

大食いで読書の虫の日柳永美ことエミールは、祖母の書庫に入り浸り本を読みあさっていた。そこで本に挟まっていた古ぼけた一通の手紙を発見する。時効だと宣言しながら手際よく封筒を開けてみると中身は物騒なことが書いてあった。

もしも私が不審死を遂げたら、犯人は、どちらかの男です

祖母が若い頃ルームメイトだった友人が関係しているらしいが、あとは祖母の記憶だけが頼りだ。そして、二人が導き出した納得がいく答えとは?

 

 

 

▼男は関係なさすぎる

僕は、柚木崎渓。あだ名はユッキー。マニアックな映画好きな男子高校生だ。お気に入りの喫茶店〈ブック・ステアリング〉に通うのが日課だ。膨大な蔵書に囲まれた店内と看板メニューのチョコレート・ドーナッツの魅力にすっかりと虜になってしまたのだ。そこのマスター梶本が大ファンだった女優の縁者だと知り盛り上がった。ただ、自分以外のお客さんを未だにひとりも目撃しておらず、経営をちょっと心配している。それほどまでに心地がいい喫茶店なのだ。

ある日マスター梶本から中学生時代に偶然居合わせた心臓発作で苦しむ女性教諭から言われた、男は関係ないでしょとの言葉の意味がいまだに不明で不思議だったことを聞かされる。内容が似ていると小説の「九マイルは遠すぎる」が話題になり、興味を持った柚木崎。すると教室で偶然エミールが読んでいる現場に遭遇して、読み終わったら貸してもらえないかと声をかけた。すると、本から顔を上げた彼女の表情に可愛いと一目ぼれして好きになっちゃた?だと!

その本がきっかけでエミールも言葉の意味の真意を議論する輪に加わった。三人が知恵を出し合って辿りついた答えとは。

 

パズル韜晦

柚木崎は友人からあるものを手渡された。

祖父の遺品を整理していたら見つかったミステリー原稿だった。解決編が見当たらず、真相が気になって仕方がないから代わりに読んで考えてほしいと頼まれたのだ。

途中エミールも加わり、二人で読み始めていくが、友人にはある目的があって。

 

さよならは明日の約束

同窓会に参加した女性は、卒業記念に書いた寄せ書きが消えているのに驚いた。同窓会で話題となった人物、喫茶店のマスター梶本の元を訪ねてみた。そこでいつものようにお客さんとしていた柚木崎とエミールの力を借りて謎に挑む恋愛ミステリー。

 

感想/まとめ

今回も大満足の出来でした。

めずらしく?西澤さんの作品として青春色が強い印象。

祖母の手抜き、なんちゃって手料理が大好きで大食いの日柳さん。表紙でも分かるようにスリムな体型でいったいそお細い体のどこに入るのだろうね。そして映画好きでマニアックすぎる知識が豊富な柚木崎くん。エミールとユッキーコンビ。変わり同士、結構お似合いなんですね。

 

記憶を漁って漁って辿りつく答え。あやふやなのも気にしない。ひとりではなく協力して導いた答えの素晴らしさは何倍にも膨らんでいくことでしょう。終わり方も心地よい余韻が残る。しばらくしてからまた読みたい本でしたね。

 

こういう小説に度々登場するアットホームな喫茶店、行きたいですね~

 

そうそう僕も読んだことがあった、、、『解体諸因』ってご自身の本ではないか~