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菅浩江さんの「歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは菅浩江さんの「歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ」です。ピアノ教室亮子先生が音楽に関連する謎を解き明かす短編集。

 歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ

「私、変な男の人を、見たの!」楽器店二階の音楽教室で、生徒の小学生ユイカが泣き出した。商店街周辺に変質者が出没していた矢先の事件――だが、少女と弟の証言が微妙にズレて……(第一話「バイエルとソナチネ」)。ピアノ教師杉原亮子が解きほぐす生徒たちの心の襞と綾。そして音楽大学を首席で卒業しながら、人前で演奏できなくなってしまった亮子自身の過去の秘密。些細な事件や奇妙な悩みを、亮子先生が穏和な推理で鮮やかに解決する癒しのミステリー連作。

 

第一話 バイエルとソナチネ

第二話 英雄と皇帝

第三話 大きな古時計

第四話 マイ・ウェイ

第五話 タランテラ

第六話 いつか王子様が

第七話 トロイメライ

第八話 ラプソディ・イン・ブルー

第九話 お母さま聞いてちょうだい

 

感想/まとめ

昔ながらのピアノ教室で教える亮子先生が音楽に関連する謎を鮮やかに解決する短編集。彼女は音楽大学を首席で卒業しながら、人前で演奏できなくなってしまったと注意書きのような描写がたびたび出てくる。過去のある出来事が原因らしいが、想像以上に重かったのが読後感に残っている。

優しい、心地よい文章から一転、崖から突き落とされた気分。

 

冒頭から生徒が辞めるシーンが、時代の波がここにも。

僕も大手のピアノ教室で子供の頃習っていた記憶が蘇りました。

音楽の小説に絶対音感は付き物で今回もある章で一役買っているのですが、子供の頃もっと真剣に取り組んでいたら身についていたのかなといつも思いますよ。

 

言葉遊び、言い回しであるシーン

「給料は仕事の見返りではない、仕事にまつわる人間関係の我慢代としてもらうのだ」

「親孝行は親が好きだからしているのではない、親の愚痴封じにやっているのだ」

こういうの好きですね。