歌野晶午さんの「そして名探偵は生まれた」を読んでみた 感想
今回紹介するのは歌野晶午さんの「そして名探偵は生まれた」です。表題作を含む3篇で構成された短編集。今回は密室、孤島、館をテーマとして楽しませてくれます。
そして名探偵は生まれた
そして名探偵は生まれた
影浦逸水は正真正銘の名探偵だ。やっかいな難事件を見事に解決するが、それを題材とした小説を販売したがプライバシーの侵害に当たるとして、裁判沙汰となり賠償金を命じられ未だに返済を続けている有様。警察からの僅かな費用だけで生活している男。
彼は常識的な生活能力が欠如しており、探偵を続けることしか生きる道は残されていなかった。
今回、ある事件を解決したお礼と称して招かれた山荘で事件に遭遇する。
はたして名探偵にこの謎を解くことはできるのか。
生存者、一名
教祖の命令で、爆弾テロを実行した信者達。
海外へ逃亡する準備が整うまでまた、ほとぼりが冷めるまで孤島で過ごす手筈となっていた。
それなのに教団に見捨てられ、裏切られ、孤島に取り残されてしまった。
日に日にやつれ、争うようになった。
そして最終的に生き残ったのはひとりだけだった。
館という名の楽園で
夢であった館の主となり、探偵小説研究会のメンバーに招待状を送りつけた冬木。
この館を舞台としたミステリーゲームを行いたいと提案してきた。
この日のためだけに使用人雇い、本気度が伺える。
しぶしぶながらも与えられた役割を演じていくメンバー達。
館を舞台としたミステリーゲームを行った冬木の目的とは。
感想/まとめ
それぞれ完成度の高い短編集でした。
名探偵が生まれたとはどのような意味合いのことなのかと思いきや、このことを指していたのか。
お金は大事だよね。
一番好みの生存者、一名。
この手の話は生き残るのは誰か予想して読むことが楽しみの一つ。
結末は、そうきたか~の一言。どちらなのでしょうね。
館は、、、ごめんなさい、集中して読むことができなかった。
夢の為に懸ける想いが伝わった。結末が悲しかった。