池永陽さんの「珈琲屋の人々」を読んでみた 感想
今回紹介するのは池永陽さんの「珈琲屋の人々」です。『珈琲屋』という喫茶店を営んでいるマスター行介を中心に商店街関わる人々の悩みや相談を解決していく連作短編集になっています。NHKでもドラマ化されています。
珈琲屋の人々
喫茶店のマスター行介は、地上げ屋の男を怒りにまかして殺してしまった過去があり、出所後、父親が一旦畳んだ喫茶店を引き継いで営業している。
行介の幼なじみで恋人だった蕎麦処の娘、冬子。事件の影響で見合い結婚をして一旦はこの町を離れたものの、離婚して戻ってきた。
同じく幼なじみの洋品店を営む島木。女癖が悪く、自分の店の若いバイトの娘と愛人関係にある。
どんな悪人であろうとも人を殺してしまった事実は変わらない、出所後も、贖罪の毎日を過ごしていた。そんな行介の元へ、悩みを抱えるわけありな人たちが今回もやってくる。
感想/まとめ
行介自信、前科者というレッテルを常に忘れず、自分に厳しく、決して幸せを望もうとしない。それでも冬子との関係がこの後どうなるか気になります。なんとかくっつけようと奮起する島木もいいポジション。性格には目を瞑りましょう。
昔ながらの商店街で古臭さがいい味を出してくれている。忘れていた気持ちを思い出してくれた気分。
珈琲の描写がすごくリアルでおいしそうな匂いが立ち込めた。
珈琲に例え、苦くもあり、甘くもあるお話し。それでも不思議とスラスラ読める本なので、時間がない方にもおススメです。