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加賀恭一郎シリーズ東野圭吾さんの「眠りの森」を読んでみた

今回紹介するのは加賀恭一郎シリーズ東野圭吾さんの「眠りの森」です。シリーズ第2弾になります。閉鎖的、限定された世界、バレエ団で起きた殺人事件。シリーズ通して珍しく加賀の恋愛模様が強い印象。切ない恋の行方もお楽しみに。

 眠りの森

第一の事件

高柳バレエ団の事務所でひとりの男が殺された。容疑者の葉瑠子は、正当防衛を主張した。事務所に忍び込んだ男と鉢合わせしてしまい、襲いかかってきたから無我夢中で花瓶を振り回したら打ちどころ悪く死んでしまった。

 

加賀は浅岡美緒という女性に興味を持っていた。3か月ほど前、上司に勧められた見合いでバレエを見に行っていた。それが高柳バレエ団の『白鳥の湖』だった。一幕、二幕は退屈で居眠りまでしてしまった加賀だが、三幕で、舞台の雰囲気ががらりと変わると劇にのめり込んだ。白い衣装と対になる黒い衣装を纏った踊り子が現れ、踊り続ける。

一目でこの黒い衣装のダンサーが気に入った。それが浅岡美緒だった。

 

男の身元が判明する。風間利之。風間の部屋で高柳バレエ団のチケットが発見され、関係者に聞き込みをしても誰も知らないという。捜査を進めるとニューヨークで接点があることが分かった。これからという時に第二の事件が起きてしまう。

 

 

正当防衛で事件解決かと思いきや雲行きが怪しくなってきましたね。

まだ、加賀と美緒の関係にぎこちなさがありますね。徐々に解けてニヤニヤする展開を期待したいところです。

 

p20、加賀のアパートにエアメールが届く。大学時代の恋人からだ。

仕事関係のことが綴られていた。

『どんなことがあっても、お体だけは大切にしてくだいさい』

彼にとっては過去からの手紙だ。

ここで前作の彼女を持ってきましたか。加賀にとってほんとに過去の出来事なんですね。

 

第二の事件

演出家の梶田が殺された。舞台稽古の最中に倒れ、医者、警察の調べでは中毒死の疑いがある。シャツをめくってみると、小さな傷、出血がある。針で突いたような穴があいていたことから注射器を凶器として断定したが、関係者からは繋がるような人物が挙がってこなかった。

 

美緒がよろけて一目散に駆けつける加賀さんかっこいい。ここらへんから彼女の様子が心配ですね。彼女の身に何が起ころうとしているのか。

 

野球観戦に時代を感じますね。秋山とは西武秋山ことでしょうかね?

バレエを楽しもうというのは精神的にも金銭的にもゆとりのある人たちだけ。僕には縁がない世界だ。その後の人間ピラミッドの話も納得ですね。

 

加賀が一度先生になったことが語られていましたね。口調から想像すると上手くいかなかったんでしょうね。

 

凶器に使われた物、その部活に入っていたので説明を聞いて、すぐ懐かしく思えてた。

 

あらすじはここまで、物語は終盤に向かっていきます。加賀が導き出した悲しい事件の真相をご覧になってください

 

感想/まとめ

切なく、悲しい事件でした。ラスト、加賀さんが掛けた言葉に彼女は救われたことでしょう。バレエ界という表側には華やかさ、裏側には並々ならぬ努力が隠されており、バレエの表裏を知ることができた。東野さんの描写も素晴らしいです。

 

 

ところどころ前作の彼女の影がみえますね。手紙の件、美緒の部屋での会話、電車の中で。まだ、未練あるのかな?