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歌野晶午さんの「ハッピーエンドにさよらなを」を読んでみた

今回紹介するのは歌野晶午さんの「ハッピーエンドにさよらなを」です。かわいらしくも、意味ありげな表紙。タイトルから分かるようにハッピーエンド皆無な短編集です。

 ハッピーエンドにさよならを

11篇もあるので、簡単にあらすじを紹介していきます。

 

おねえちゃん

高校生理奈は、叔母である美保子に相談することがあると家に呼んだ。両親に嫌われている、お姉ちゃんばかり優遇されている。それを聞いた美保子は愛情の為だと答える。

ある日、両親の会話を聞いてしまった。理奈に対する出生の秘密。

 

サクラチル

近所に越してきたろくでなしの亭主と妻。気配をまるで感じなかったが受験を控えた息子さんがいるらしい。働き者の妻が取った驚愕の行動とは。

 

天国の兄に一筆啓上

兄貴の死のおかげで借金返済できた、ありがとう。

 

消された15番

息子の活躍を見たいがために母親がおかしくなる話。

 

死面

夏休みに入り田舎に集まって親戚と遊ぶのが楽しみである私。この日は虫の居所が悪く、入ってはならないと注意されていた開かずの間に忍び込もうとした。そこで見たものとは?

 

防疫

教育熱心なママに育てられた由佳里。厳しい日常生活も母親の期待に応えようと努力したが受験は失敗した。届いた入学祝いのお礼を実家に電話をかけていた最中、母親の本音を聞いてしまい、後ろから、、、

 

玉川上死

高校生同士で川で死んだふりをし悪ふざけの映像を撮っていた。警官にばれてこっぴどく怒られ、中継していた仲間の下に戻ってみると死んでいたのだ。一体どういうことなんだ。

 

殺人休暇

合コンで知り合い、付き合い、ケンカ別れ。その男がストーカー行為をするようになった。我慢の限界に達した私はある行動に出ることに。

 

永遠の契り

好きな人と過ごす特別な時間。夢でもかまわない。かまわないから、いつめでも目覚めないでほしいと願った。

 

In the lap of the mother

パチンコに熱中するあまり車に置き去りにした子供が熱中死するという痛ましい事件が報道された。私は違うと、思っていたが、、、

 

尊厳、死

ホームレスのムラノ。人間関係に苦労し、この地に流れ着いた。

ある日、お節介焼きのフジエダという女性が現れる。この出会いが両者にとって最悪な形となってしまう。

 

感想/まとめ

読みやすかった。お手軽な感じでいろんな物語をつまみ方におススメですね。

タイトルから勝手に後味が悪い話ばかりなのかと想像していましたが、そこまで苦になりませんでしたね。逆に癖となる。現実にも起こりえる悪の部分が見事に示された作品。

 

 

 

尊厳、死が一番のお気に入り。最後の最後でやられました。