数字と野球好きには必見!小川洋子さんの「博士の愛した数式」を読んでみた
今回紹介するのは小川洋子さんの「博士の愛した数式」です。事故により80分しか記憶が持たない博士、家政婦の私、その息子のルートの物語。数学が苦手な身としては手に取るのを躊躇していた作品でしたが、テンポがよく温かい気持ちになれる作品でした。
博士の愛した数式
登場人物
博士:元大学教授。事故のせいで記憶が80分しか持たない。そのため体中にメモを貼り付け忘れないようにしている。阪神タイガースの江夏豊投手が好き。何を話せばいいか迷った時に数字を持ち出すのが博士の癖。
私:家政婦紹介組合から派遣された家政婦。シングルマザー。
ルート:私の息子。博士に付けられたルートという愛称を気に入っている。野球好きという博士との共通点もある。
未亡人:博士の義姉。
あらすじ
家政婦紹介組合から博士の家に私が派遣されたのは1992年3月のことだ。組合に登録された家政婦の中で私は一番若かったが、キャリアはすでに10年のを超えており、この仕事に誇りを持っていた。博士のケースは、手ごわい相手だと予想出来ていた。先方のクレームにより何度も家政婦が交代しているからだ。面接のため博士の家を訪ねると上品な老婦人と出会う。そこで聞かされた博士の症状。
これは、交通事故により物事を記憶する能力を失われた博士と、家政婦の私、その息子のルートとの日常を数字と共に描いた作品。
感想/まとめ
作中には数字がよく登場して言葉のキャッチボールが苦手な博士の特徴が表されていますね。数字を語る博士の生き生きとした感じがほっこりしました。
数学が苦手な僕としては、感心することが多く勉強になりました。ただ、読み終えたいまでもやっぱり数学は苦手な分野ですね。
僕も野球は大好きなのだが、年代が違いすぎるかせいか江夏豊投手位しかピーンとこなかった。昔の選手の成績は今見るとホント化物が多いですよね。
野球ほど数字と繋がりが深いスポーツはないのではないかとつくづく思いました。野球ファンにはよく聞く単語のセイバーメトリクス。これも指標の一つですよね。
あっという間に読み終えてしまった。それだけ物語に集中していたのだろう。博士とお母さんの愛情をたっぷり受けたルートがどんな先生になるのが楽しみである。
結局、未亡人と博士の関係はどうだったのかな?