倉知淳さんの「幻獣遁走曲」を読んでみた
今回紹介するのは倉知淳さんの「幻獣遁走曲」です。今作は猫丸先輩シリーズ3冊目になります。短編集となっており、猫丸先輩がアルバイト先で遭遇した日常の謎を扱うミステリーです。
幻獣遁走曲
登場人物
猫丸先輩:小柄で童顔。年齢は不明だが30歳は超えている模様。名前の通り猫のような人だ。様々なアルバイトを経験している。
あらすじ
猫の日の事件
今回のアルバイト先は猫イベント会場だ。あちこちにかわいい猫がいっぱいいるもんで猫丸先輩も上機嫌。そんな中、審査員の指輪が盗まれる事件が起きる。
寝ていてください
今回のアルバイト先は病院。臨床治験だ。フリーターの誠はアルバイト代に惹かれ迷った挙句参加していた。病室には誠を含めて4人。そこで何度も参加しているベテラン河原崎から人が死んだこともあると聞かされる。不安にかられ周りを見ると同じ病室の一人がいなくなっていた。
病室に駆けこんできた事情を聞くと、看護師さんの態度があやしい。まさか、ホントに?
幻獣遁走曲
アカマダラタガマモドキという幻獣を捕獲するために集められた面々。もちろん猫丸先輩も参加している。まずは、生い茂った雑草の草刈からだ、と鬼軍曹の号令が発せられ作業開始された。しばらくするとベースキャップのあたりで火事が起きた。いったいなぜ?
たたかえ、よりきり仮面
今回のアルバイト先は、スーパーで開催されるヒーローモノの悪役だ。炎天下の中行われているため水分補給には気をつけないと熱中症になるくらい過酷な現場。
さて、午後の部の為着替えようとするとヒーロースーツに悪戯がされていた。休憩時間に控室に来た男の子が疑われるが、、、
トレジャーハント・トラップ・トリップ
今回のアルバイト先は松茸狩りの案内人。たどり着くのには苦労したがそこはまさしくお宝の山。一度コツを掴んだら面白いように見つかる。
ひとり者が不利にならないようみんなで一度集めてから平等に分けようと意見を出し合い決まった。しばらく別々に探していると一か所に集めていた松茸が少なくなっていた。言い争いがおき、険悪なムードの中猫丸先輩の推理が始まる!
感想/まとめ
倉知淳さんの「幻獣遁走曲」いかがだったでしょうか。倉知さんの作品では「星降り山荘の殺人」が有名ですよね。僕も大好きです。
猫丸先輩シリーズでは「過ぎ行く風はみどり色」を数年前読んで非常に興奮した覚えがあります。どんでん返しありましたよね?(記憶違いなら申し訳ないです)
さて中身の方は、テンポがよく読みやすい印象でした。猫丸先輩の洞察力、観察力には脱帽です。何事にも楽しんでいる姿をみると読んでいるこちらも嬉しくなってしまう。
個人的には「寝ていてください」「トレジャーハント・トラップ・トリップ」が好みでした。
美人看護師のあわて姿に、、、オチは、、、なるほど、そうきたか。
奥さんにはダイエット頑張って欲しいですね。目指せ夢のマイホーム!
人が死ぬミステリーに疲れ、のんびりしたい時に読むのもいいかもしれませんね。