矢野龍王さんの「極限推理コロシアム」
今回紹介するのは矢野龍王さんの「極限推理コロシアム」です。何者かによって強制的に集められた男女が閉じ込められ生死をかけたゲームをする。負ければ「死」を意味するデスゲーム系の小説ですね。
極限推理コロシアム
登場人物
駒形祥一ーー会社員
滝本久満ーー翻訳家
加賀毅ーー警察官
篠崎亜美ーーアルバイト
出渕勝彦ーー大道芸人
飯田春生ーー元会社員
吉原恵ーー会社員
木場敦彦ーー大学生
桜井可憐ーー大学生
鹿島紀代志ーー会社経営
立石光善ーー僧侶
尾花健人ーー帰国子女
小菅仁美ーースナック勤務
あらすじ
夏の館、冬の館それぞれに脈絡のない男女七人集められた。戸惑う参加者(プレイヤー)にそれぞれの館で起きる殺人事件の犯人をみつけだせと主催者は言う。殺されるのはもちろんプレイヤー。残されたプレイヤーが犯人役を推理しなければならない。それだけではなく複雑な点が一点ある。館が二つあるわけだから犯人役も二人いる計算になる。夏の館、冬の館に隠れている二人の犯人役を同時に当てなければ勝利にならないのである。
お互いの館で起きた殺人の犯人も見つけ出さないといけないという環境の中で疑心暗鬼に陥る参加者たち。失敗は「死」を意味する。お互い協力して脱出することはできるのか?
感想/まとめ
第30回メフィスト賞
主人公ポジションの駒形にあまり魅力が感じられなかったのが残念でした。「自分の館だけではなく相手の館の犯人も見つけ出さないと敗北してしまう」という他のデスゲームには無さそうな設定のもといかに相手を出し抜くか楽しみにしていたのに何か消化不良。
終わり方もよくあるパターン。デスゲームの難しさが表れている感じです。
夏の館の視点だけではなく冬の館の視点も欲しかった。冬の館の状況が読んでいて気になって仕方がない。これが作者の狙いならうまく術中にハマったと言えますね。
デスゲーム系が好きな人には一度読んでみてほしいです。絶賛とは正直言えませんが楽しめましたので評価を聞いてみたいです。
読後ドラマがあると知りそちらも鑑賞しましたが、可もなく不可もなく、です。