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子供向け小説? 麻耶雄嵩さんの「神様ゲーム」

今週のお題「読書の秋」

ご紹介するのは麻耶雄嵩さんの「神様ゲーム」という本です。麻耶さんの作品はこれまで))「螢」「隻眼の少女」の二作品を読んだことがあり個人的には好きな作家さんの一人です。この「神様ゲーム」は子供向けミステリー小説らしく読みやすいのですが内容が重いです。子供はもちろん、大人も覚悟をもって挑んでください!

子供向け?いやいや大人の方が楽しめる

登場人物

  • 黒沢芳雄ーー主人公。クラスの中では貧弱な方で運動も下。
  • 坂本孝志ーー探偵団リーダー。運動神経が取り柄。ジャイアンタイプ。
  • 内海俊也ーー探偵団メンバー。小柄でやせっぽちで運動音痴。慎重で臆病。別名のび太
  • 山添ミチルーー探偵団メンバー。茶色の髪。活動的。黒っぽいTシャツにパンツを好んで着ている。
  • 辻聡美ーー探偵団メンバー。黒色の神。おっとりしている。白系のブラウスにスカートを着ている。
  • 岩渕英樹ーー親友。体格や運動苦手なところが気が合っている。
  • 鈴木太郎ーー神様。
  • 辻光一ーー聡美の従兄。

猫殺しの調査

小学四年生の芳雄の住む神降市で残虐な形で市内の野良猫が次々に殺されるという悪質な事件が起きている。芳雄は、同級生たちと探偵団を結成しており、事件の犯人捜しをはじめることになった。そんな時、ほとんど会話をしたことがなかったクラスメイトの鈴木君に声をかける。なんでも鈴木君は神様らしい。何でも知っているらしいので「猫殺しの犯人も知ってるの?」「知ってる」との返答。ばかばかしく思いながらも探偵団で鈴木君が名指しした人を調査することに。

その名は「秋屋甲斐」近所でも不審な大学生として目撃されていた。なんでも聡美の従兄が経営するアパートに住んでいるらしく従兄の光一に相談を求めた。光一は猫の死体の状況から秋屋の犯行だと推理します。自分の名前をアルファベットに形に変換し残していたのだ。

 

 親友の英樹

親友の英樹から「探偵団で何かあったのか?」と聞かれるが、探偵団の掟でくわしく話すことが出来ずにいると怒らせてしまう。(探偵団は浜田探偵団といい、浜田町に住んでいる人しか入れないきまりになっており英樹は松茂町)次の日、英樹はラビレンジャーのTシャツを学校に着てクラスのみんなに自慢するが、芳雄のことは無視をする。結局この日は一言も会話をすることなく視線すら合わせてくれない。ほとぼりが冷めるまで時間をおくことにし、家に帰った。

家でゲームをしていると緊急事態だと召集がかかる。探偵団の一人俊也が英樹を探偵団の本部の近くで見かけたらしい。(もちろん本部の場所も探偵団以外秘密にしている)集まった探偵団五人で異常がないか本部の調査を始めた。

すると裏口に掛け金が掛かっているのを見つける。構造上家の外から裏にはには入り込めないようになっておりドアの外から掛け金がかかっているこの状態では裏庭にだれかいることになる。怯えながらも孝志と芳雄で何度か体当たりをして無理やりドアを開けた。

裏庭は静かなもので、人の気配もない。周辺を調べてみると、古井戸の蓋が外れているのに気がつく。危険なので重しをのせ封印したはずなのに。井戸の深さは二メートルなく人が隠れるとこもできる。恐る恐る井戸の中をのぞくと英樹が死んでいたのである。

芳雄は神様に助言を求めるが

英樹は事故死として処理されてしまうが、芳雄は納得しない。芳雄が導き出した推理が正しければ犯人は子供ということになる。もやもやした気持ちの中我慢できずに神様である鈴木君に助言を求めることにした。「事故じゃなく殺されてんだよね」「そうだよ」鈴木君は絶対だ。やはり犯人は子供らしい。

芳雄は決意したように以前お願いした猫殺しの犯人ではなく英樹を殺した犯人に天誅を下してほしい鈴木君に願う。

そして天誅が下る

校舎の天辺に飾っていた大時計の針が落下し真下にいたミチル口刺しにする。天誅が下ったのはミチルだった。目の前で見ていた芳雄は気を失って入院してしまう。

見舞いに来た光一は俊也が見た英樹は別人だと推理した。芳雄は知っている。ミチルしかいない。でもなぜそんな真似をしたのかわからない。英樹の恰好をして何をするつもりだったのだろう。

ふと、あの日ミチルがスカートの裾を気にしていたことを思い出す。スカートの下に英樹の服を隠していたのか、そして誰かに渡した?共犯者がいる?

芳雄はすべて分かってしまった。

クライマックスへ

お見舞いに来た鈴木君から結末が語られる。日頃からミチルと共犯者は本部でエッチなことをしていたのだ。あの日探偵団の集合と勘違いしてミチルの後をつけた英樹は現場を見てしまう。そのことが原因で殺されてしまう。

英樹の血で服が汚れて目立つ。家に帰って着替えるため英樹の服とズボン借りていた姿を俊也に目撃されていたのだ。

ミチルが着替えて戻ってくるのを待っていた共犯者は俊也が現れたため閉じ込められてしまう。

あせった共犯者はミチルに指図した。スカートに隠しておいた英樹の服をソファーの裏す。物置小屋に隠れていた共犯者は、死体を発見して外に逃げ出した探偵団の隙をついて英樹に服を着させ、今度は開かずの間に隠れてやり過ごし探偵団が裏庭に入ったのを見計らって堂々逃げて行ったのだ。

共犯者は父親しかいない。芳雄は推理した。

そして「共犯者にも天誅を下してくれない」鈴木君にお願いした。

そして

退院祝いにケーキをお願いした。今日が本当の誕生日だと鈴木君が教えてくれた。

“ハッピーバースデートゥーミー”心の中で唱えて息を吹きかける。ろうそくの炎はあっさり消えたように見えたが向かい側にいる人に燃え移っていた。ガソリンに引火したかのように炎上する様子から芳雄は悟った。これが、天誅なのかと。

だが、目の前に広がる光景が信じられなかった。燃えているのが父さんではなく母さんだったからだ。

これは神様の天誅結果であり、神様は間違えない。真実なのだ。

 

おわりに

他のブログの解説や感想見てみるといろいろな説がありますね。

面白く巡っているうちに考えすぎて混乱してきたので父親、母親両方共犯者でいいかな?そうなるとミチルは二人に、、、

でも、神様は絶対なので母親かな?う~ん。

挿絵がまた良い味を出している。特にトイレ掃除の鈴木君のシーンを見ていると不安になってくる。夢に出てきそう。

おススメしたい一冊には間違いないので是非読んでみてください。